Everyday Birthday: 12月 2012

2012年12月26日水曜日

寿司屋はオーラの泉


今年のクリスマスはうちでやろうといっておきながら、
やっぱり食べにいこうと言い出した妻。

じゃあいつものイタリアンと訊くと、
そうゆうの食べ飽きたと贅沢をぬかす。
それならあえての和食にしようと
以前から気になってた、すし割烹を予約した。

こうゆう店は敷居が高そうで、怖々のれんをくぐると
お客は1組のカップルのみで、ほとんど貸し切り状態。

大将が、年末は混むけどこの時期はヒマなんだよと
笑いながら気さくに話しかけてくれて、
あっという間にその場に打ち解けてしまった。

おまかせで6千円くらいと注文をする。

すると大将はおもむろに白ワインを開けはじめた。
そして先付けはまるで和風のオードブル。
卵黄の西京漬なんて、杏のようにねっとりと甘い。

次に洋風のカルパッチョが出てきました。
すると今度は生ガキをグラタンに。

え、ここ寿司屋じゃなかった?

甘エビときゅうりの吸い口、さわらの西京焼、止め碗と続き、
いよいよ本業のにぎりの登場です。

玉からはじまり、帆立、甘エビはこぶ茶を降っていただく。

手元では、サバを押し寿司にしている。
しめサバかと思いきや、海苔で巻き寿司に。
脂の乗った肉厚のサバと、パリッとした海苔の磯の香り。
口の中でいつまでも海の余韻が漂う。

赤身でくちをさっぱりさせてから、ウニの登場にテンションが上がる。
ウニも軍艦ではなく、にぎりに。
大将いわく海苔が美味しすぎて(?)ウニを邪魔してしまうそうだ。

この辺りでけっこうおなかいっぱいなんだが、
好物の穴子を見せられ、ついついのどが鳴ってしまう。

そういえば、ほとんど醤油を使っていない事に気づく。

これでシメかと思いきや、最後は生ガキのにぎり。
大将、そいつはいけねえ。食わなきゃ罪でしょう。

デザートには、赤肉のメロンがまるごと果肉ゼリーになって出てきた。

まさに贅の極み!

大将はホストのように、楽しいお話を聞かせてくれます。

それが料理の話から、いつの間にか霊の話に。
店内にはウン十万円の水晶があって、邪気をはらっているそうだ。
お祓いには除霊と浄霊があって、浄霊のできる人は少ないとの事。

あげくに憑いているものが見えると言い出し、
トイレにもふたりいるなんて怖い事をおっしゃる。
なんでも、人に診てもらうと大将は4層のオーラが出ているらしい。
そのかっぷくといい、あんたは江原啓之か和製サンタクロース?

わたしはむしろ、この寿司にオーラを感じましたよ。

さて、肝心の勘定はというと、

白ワイン1ボトルつけて一人1万円。

あれ、6000円っていったのに~。

2012年12月17日月曜日

うつくしくいきる

RONDOM KINDNES & SENSELESS ACT OF BEAUTY

英文をそのまま受け取ると、ちょっと難解です。
それを翻訳の谷川俊太郎さんはこのように訳されています。

「きままに やさしく いみなく うつくしくいきる」

こんなタイトルの絵本を見つけました。
作者はアンハーバート&マーガレット・パロマ・パヴェル。

やはり谷川さんは日本語の表現が素晴らしいですね。
それに当てられた絵がまたいい。
作画は小田まゆみさん。この方は71歳だそうです。

いったいどんな思いが込められているのか知りたくなって、
すぐにページを開きました。

一見すると昔の「鳥獣戯画」のようですが、
それでいてとても自由でのびやか。

見ているとまるで昔話のように感じるけれど、
描いているのは現代社会の問題。

その中で、生きとし生けるものたちの在り方を
子どもにもわかりやすい言葉で示唆しています。

いみなくうつくしくいきる。

たとえるなら、花のようにでしょうか。
けしてキレイな花でなくてもいいんです。

うつくしくいきるって、
なかなかできるもんじゃありませんよ。
でも、できないからといって
やらないのはもっとさびしい。

理不尽に踏みにじられる事もあるでしょう。

そんな時、意味を求めると苦しい。

あきらめろというのでないんです。
そこにやさしさを持てるかどうか。
それを許してなお、うつくしくいきる。

ぼくはこの言葉を、座右の銘にしようと決めました。