Everyday Birthday: 2015

2015年12月14日月曜日

わんこと、わたしと、いきること

どんなヒトにも、どんなイヌにも、
しっぽをちぎれるくらいに振り回し、
笑顔を振りまく、うちのわんこ。

名前はジョイエ。
イタリア語で『愉しみ』『歓び』といった意味があり、
その名の通りだとみんなに可愛がられている。

そもそもこの子は迷子犬。
ふらふらと歩いているのを保護されて、
私たち夫婦のもとにやってきた。

それ以降、この子と散歩をするたびに、
『自分は生きているのだな。うれしいな』と
彼はわたしに、生きている歓びを教えてくれた。

そんなジョイエに、まさかの出来事。



ガンになっちゃった。。。


血管腫瘍の可能性があり、再発の可能性も高いというのだ。

自分もこれから心臓の手術を受けるというのに、
なんてことだ。
また散歩に行けるよう、リハビリに励もうと思っているのに。
なんとか長生きしておくれよー。


自分の死を想うよりも辛い。

神様って、いけずだ。

いったいどうしたら、これを歓びに変えられるだろうか。
そうやって、またオレを試してんのか??
ありがたいこっちゃ。

とにかく今は、手術を乗り切るしかない。

絶対、一緒に生き抜こうね。
それからいっぱい、いっぱいお散歩行こう。


2015年11月12日木曜日

キャリーオーバー発生中!

余命1ヶ月と告げられたら、あなたはなにをしたいですか。

医者のいうことは、だいたい厳しめなのだと思う。
余命1年と言われて半年よりも、
3ヶ月と言われて1年持った方がうれしいじゃない。

希望は医師ではなく、自分の意志で発するもの。

僕自身、生まれつきの心臓病で、余命3ヶ月と告げられながら、
かれこれ40年以上生きている。
今でも医者に言われます。
「よく生きてこれたね」

ええ、おかげさまで。
「モテキ」はなかったけれど「キセキ」はあったようです。
もはや人生のキャリーオーバー発生中なのだ。

もしかしたら、あなたも発生してるのかもよ?

1ヶ月後また、何度目かの抽選日を迎える事になった
医者はまた、厳しめの事を言う。

今のうちにやりたいことをやろうと、あれこれ考えているのだが、
結局おだやかに暮らしていければ、それでいいのかもしれない。

むしろ、さらなるキャリーオーバーを願って、
その後の人生を考えている方が、楽しいじゃないか。

アノお笑い芸人も言っていた。
生きてるだけで、丸儲け。

来年の立川志の輔の独演会を愉しみに、手術にのぞもう。

2015年6月19日金曜日

励ましの言葉

人を励ます時に、どんな言葉をかけますか?
やっぱり「がんばれ」ですか?

でも、頑張りたくても頑張れない時もある。
頑張っても結果がでない時だってある。
あるいは、頑張りすぎて苦しんでいるのかも知れない。

「がんばれ」という言葉は、受け取り方によっては、
突き放したような印象を受けます。

時には「がんばったね」とか「ひとりでがんばらくてもいいんだよ」と
言ってあげた方が良い時もあります。

「がんばれ」に代わる言葉はないものかと思い続けていました。
そして、ようやくひとつ答えが見つかりました。

『天皇の料理番』というドラマの中の台詞。
日本一の料理人になるとのたまうふらちな弟に、
結核で病床についている兄が、彼を信じてかけた一言。

「励めよ」

物語の良さと、鈴木亮平さんの演技もあって、
ぐっと慈愛に満ちた言葉に聞こえたのです。

「励めよ」という言葉には、相手のがんばりを讃える様な印象があります。
そしてさらなる精進を願う、まさしく励ましの言葉です。


一生懸命やっている人には、こんな言葉をかけてあげたいと思います。

2015年2月24日火曜日

じんましん騒動

先日レストランで豚づくしのディナーを食べていた時のこと。
どうにも体がむずがゆい。

パッと腕を見ると、蚊に刺された跡のような水ぶくれが一面にある。
わぁ、じんましんだ。

豚のアレルギーはないはずだし、いったい何が悪かったのか。
その後しばらくすると引いていったので、ほうっておいた。

ところが翌日になって、風呂につかるなりみるみる体がかゆくなり、
再びじんましんが現れた。
心配になったので、一度病院で見てもらうことにした。

病院に行き、これこれしかじかと病状を告げる。

「まあ、アレルギーと言っても色々あるし、豚だけ食べた訳じゃないでしょう」
「そうですね」

「あなた花粉症ではない?」
「はあ、朝ちょっとくしゃみが続きましたが、違うと思います」

「私は花粉症でねぇ、今日も朝からツラくてしょうがない」
「それは大変ですね」
テーブルにも、のど飴の袋が開けてある。

「大学の時からだから、スキージャンプの葛西がオリンピック出る前からですよ」
「ほお、それじゃあ花粉症のレジェンドですね(笑)」

言ってる場合かっ!

あなた医者なんだから、もっと早くに対策すればいいじゃないの。。。

「それじゃあ、抗ヒスタミン剤出しておきますよ。
アレグラってえの。眠くなりにくいから」
「アレグラですか?」
「そう、CMでやってるやつ」

へぇ、ほんとに眠くなりにくいんだぁ。


あれ?

それって、結局花粉症の薬じゃないの??

「あのぉ、気になるんで、アレルギーテストもしてもらっていいですか?」
そうお願いをして、採血をとって後日結果を待つ事に。

その足で薬局に薬をもらいに行くと、薬剤師さんが言った。

「花粉症ですか?」

2015年2月18日水曜日

料理の哲人


ひいきにしているレストランが、とても面白い企画をやると聞き、
さっそく予約を入れた。

昔のテレビ番組『料理の鉄人』さながらに、イタリアン、中華、フレンチのシェフが、
ひとつの食材をテーマにコース料理を組み立てるという。

そして今回の食材は、長野のブランド豚『千代幻豚』

週に30頭程度しか出荷されないという、生産者こだわりの貴重な豚だ。
シェフ達がこの豚に惚れ込んで意気投合し、この企画が生まれたらしい。
それを耳の先から足の先まで使い、前菜からメインまで豚づくし!

もはや、食べる前から「おいしゅうございます」といってしまいそうになる。

前菜は伊、仏、中の3種。
フレンチのシェフは、耳と顔のお肉をケークサレにし、ハムを添える。
イタリアンのシェフは、肩肉を肉厚のサラミに。

中華のシェフはバラ肉をシンプルに蒸し、スパイシーなソースをかけ、
スライスしたキュウリと大根を包みこむ。
さらっとした豚の脂と甘みで、肉質が良くポテンシャルの高さをうかがわせる。

そんな具合に中華スープ、イタリアンのパスタ、フレンチのメインと料理が続く。

一番驚いたのが、豚足を使ったパスタ。
パスタといっても平打ちのショートパスタで、肉のミンチの方が多いくらい。

正直、豚足は苦手なのだが、恐る恐る口に運んでみる。
すると、豚の野性的な香りがスパイスと香草のしげる草原を、
だだだっと駆け巡っていった。
ひと匙ごとにクセになる味。なんでも調理の仕方次第なのだ。

メインは豚の肩ロースで鶏を包んで煮込み、酸味を利かせたソースをまとわせる。
下には紫芋のマッシュポテトがしかれていて、なめらかな舌触りに。

また、その向き合い方にも個性が表れる。

中華はとっても優しい味わいであったかいし、
イタリアンはガツンと食材の旨味を堪能させてくれる。
そしてフレンチはとても巧妙に、味のマリアージュで新たな世界を提案する。

こうして丸ごと一頭、お千代さんを頂いたわけだ。

生産者さん、シェフ、そして何よりお千代さん!
みんなが命を捧げてくださっている。
それを美味しく頂けるのもまた、ありがたい。
(ホントは塩分を控えなくてはいけないのだが。。。)

たった一度の食事で、すべてに感謝できた一日。

ごちそうさまでした。